ペトルス・クリストゥス　Petrus Christus
（1415/20〜1473）

クリストゥスとアウワーテルは1440〜50年代にヤン･ファン･エイクと関わりがあったとされる画家。
クリストゥスは1444年以後ブリュージュで活動しているが、ヤンの作品からの影響が見られることから、若い頃ヤンの弟子だったとする説がある。その一方で、ロヒール･ファン･デル･ウェイデンの影響を受け、晩年になってヤンの作品などからの影響を受けたとする説もある。ヤンからの影響を受けたとされる時期の違いから制作時期の推定には困難が伴っている。
世界美術大全集14　北方ルネサンス、世界美術大事典
人物略歴

1446年の年記がある2点の肖像画、署名年記のある「職場の聖エリギウス（1449年）」が基準作品となっている。肖像画ではヤンの作品では描かれていなかった、モデルの周囲の環境を描いている。それはバウツに引き継がれて室内肖像画という表現につながる。アウワーテルとの関連を思わせる作品（キリストの降誕　1465年頃）もある。
アウワーテル（15世紀にハールレムで活動）の作品と認められている「ラザロの蘇生（1455〜60年頃）」の色彩や空間表現にヤンの影響がみられる。アウワーテルは風景描写に優れているという当時の記録があるが、風景を描いた作品は残されていない。彼の後継者とされるヘールトヘン・トット・シント・ヤンスの風景描写にはヤンの影響がみられる。
アルベルト･ファン･アウワーテル　Albert van Ouwater