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最後の晩餐

祭壇のすぐ左の壁に置かれている「最後の晩餐」。祭壇に向かって立つと、斜めに描かれたテーブルが祭壇と同一線上にあるように見えるらしい。
最後の晩餐のテーマは「ユダの裏切りの露見」が多いが、この作品では「聖餐式の制定」が主要なテーマ。テーブルの奥、暗闇の中に光として現れるキリストは、自らの身体として使徒にパンを食べさせている。カトリック教会の聖体拝領の儀式の原型だが、ここではパンがミサの時に使われる聖餅の形に描かれている。
最前面には犬を挟んで貧しい男女がいるが、そばにはパンと水が置かれている。同信会の貧者や病者への宗教的慈善行為の重要性を示している。天井画「マナの拾集」では光と影の強いコントラストの中、無数の聖餅の形をしたマナが舞い落ちている。
1577年11月の記録で、ティントレットは天井の装飾の大部分が完成したと述べている。1578〜81年に壁面の大作12点が描かれた。
1570年代
ティントレット Tintoretto
最後の晩餐
1578〜81年 カンヴァス 油彩 538×487cm
ヴェネツィア 聖ロクス同信会館
サーラ・スペリオーレ
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3