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マナの拾集

1575年から2階大広間サーラ・スペリオーレの装飾が始まった。最初に描かれたのは天井画中央の大作「青銅の蛇」、次いで天井画「マナの拾集」が祭壇近くに描かれた。
天井には旧約聖書の物語、周囲の壁には新約聖書の物語と聖ロクス像、聖セバスティアヌス像が描かれている。画面は物語の時間経過に従って描かれるのではなく、同信会の相互扶助活動の称揚とカトリック改革による、救済の手段としてのキリストの血と肉に関するテーマが強調される。また旧約に記されていることは、新約に記されることを予示しているという予型論の考え方も関わっている。
モーセの祈りによって、荒野で飢えたイスラエルの民に神が降らせた食物マナ、キリストが自らの身体として弟子に食べさせたパンの予型で、祭壇の前で行われる聖体拝領ともつながっている。司祭から聖餅を受けるために、祭壇の前に並んでいる人々の上の天井に描かれているのが「マナの拾集」。
1570年代
ティントレット Tintoretto
マナの拾集
1577年 カンヴァス 油彩 550×520cm
ヴェネツィア 聖ロクス同信会館
サーラ・スペリオーレ
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3