ヴェネツィアのサン･ジョルジョ･マッジョーレ島にあるベネディクト会修道院の食堂を飾っていた作品。食堂の建築はパッラーディオが行ったため、建築家によってヴェロネーゼが紹介されたらしい。
1562年6月に交わされた契約書には、巨大な画布を「適切に画面に収まるだけの、またそのために必要なだけの数の人物像」で満たすように指定されていて、翌年9月に完成した。
ガリラヤのカナの婚礼の宴で、キリストが最初に行った水を葡萄酒に変える奇跡の場面。コの字形の宴の席、左端には花嫁と花婿、中央にはキリストとマリア、多くの招待客がさまざまな衣裳をまとって座っている。前景中央には当時の有名な画家たちの肖像とされる楽士たち、その右には奇跡の葡萄酒。

ヴェロネーゼはヴェネツィアの公的装飾絵画の伝統を引き継ぎ、世俗的描写に関心があるように思える。しかしキリストの頭上で切り分けられている仔羊はキリストの犠牲の象徴で、個人的に見つけられないが砂時計はキリストの受難を暗示しているともされる。
1560年代

ヴェロネーゼ　Veronese
カナの婚礼
1562〜63年頃　カンヴァス　油彩　669×990cm
パリ　ルーヴル美術館
世界美術大全集13　イタリア・ルネサンス3
画像の左右をつないでいます。