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聖ロクス同信会の絵画装飾

1564年、ヴェネツィアの6つの大世俗同信会の一つ、聖ロクス同信会は1549年に完成した同信会館の装飾を計画した。1階の大広間サーラ・テッレーナ、2階の大広間サーラ・スペリオーレ、2階の小広間サーラ・デッラルベルゴ。
最初の注文(サーラ・デッラルベルゴの天井画)を受けるときの事情をヴァザーリが伝えている。
同信会の人々は立派な絵を描かせようと考え、ヴェネツィアの画家たちの中で最も優れた構図案を描いた画家に仕事を任せることにした。それぞれが求められた素描を描いている間に、ティントレットは絵の大きさを測り、大きな画布に完成作を描いて天井にはめこんでしまった。ティントレットは天井画「聖ロクスの栄光」を無償で同信会に寄贈し、それによって大画面だけでも38点の注文を受けることになった。
晩年のティントレットはパラッツォ・ドゥカーレの諸作品など大画面の制作の多くを協力者に任せたとされるが、聖ロクス同信会の大連作の多くは自分で仕上げている。
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3
1560年代