大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

音楽

ベッサリオン枢機卿からヴェネツィア共和国に寄贈された蔵書を保管するために、1537年からサン・マルコ図書館の建造が始められた。パラッツォ・ドゥカーレと小広場を挟んで対面する図書館は1556年には2階広間の絵画装飾ができるようになった。
広間天井には学芸の称揚をテーマとする21枚の円形画が飾られることになって、7人の画家がそれぞれ3枚を描いた。これらの作品はティツィアーノ(絵画)、サンソヴィーノ(建築、彫刻)、アレティーノ(文学、批評)によって評価された。最優秀と評価されたのが最年少のヴェロネーゼ、「音楽」が高く評価された。ティツィアーノによる後継者指名という面もあった。評価者にティントレットが加わっていないことが、ティツィアーノとの不和を示す証拠ともされている。
ヴァザーリは、三人の若く美しい女性が描かれ、一人はリローネ・ダ・ガンバを奏し、一人はリュートを弾き、もう一人は本を見て歌っている。そばでは翼のないキューピッドがクラヴィチェンバロを弾いている。背後には牧神の像が現れ、月桂樹の枝には羊飼いたちから奉納された笛が結びつけられている、と記している。
ヴェロネーゼ Veronese
音楽
1556〜57年 カンヴァス 油彩 直径230cm
ヴェネツィア サン・マルコ図書館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3