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カール5世騎馬像

ティツィアーノと皇帝カール5世との関係は、1530年にボローニャで行われた教皇クレメンス7世による皇帝戴冠式の際に描かれた肖像画(消失)に始まった。皇帝がイタリアを訪れるたびにティツィアーノはボローニャやフェッラーラに出向き(1533年に「宮廷伯爵」「黄金拍車の騎士」の称号を受けている)、1548年と1550年には帝国議会が開かれたアウグスブルクに招かれている。
この騎馬像は1448年のアウグスブルク滞在中に描かれた。その前年ミュールベルクでの戦いで、ザクセン選帝侯が率いるプロテスタント同盟軍を破った皇帝を「キリスト教の戦士」、カトリックの護教者として描いている。ティツィアーノは皇帝を護教者コンスタンティヌス大帝の再来として描いたともされる。
ブリュッセルのハンガリー王女マリア(皇帝の妹)が一時所蔵していたが、その死後マドリードのフェリペ2世に送られた。1734年のアルカサル(王宮)の火災で画面下半分に大きな損傷を受けている。
1540年代
ティツィアーノ Tiziano
カール5世騎馬像
1548年頃 カンヴァス 油彩 332×279cm
マドリード プラド美術館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3