大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

エレオノーラ・ディ・トレドと子息ジョヴァンニの肖像

フィレンツェ公国の公爵になったコジモ1世(フィレンツェ公1537〜69、トスカーナ大公1569〜74)は、1539年、皇帝の家臣でナポリ副王ドン・ペドロ・デ・トレドの次女エレオノーラと結婚した。エレオノーラは40歳で結核のため死去したが、11人の子供をもうけた。
エレオノーラはスペイン貴族の典型的な教養と信仰心をもつ強い性格で、フィレンツェにナポリでの、スペイン的宮廷儀礼や生活様式を導入した。豪華な衣裳と高価な宝石をつけなければ人前に出ず、実家からの持参金で対岸の広大なパラッツォ・ピッティを1549年に購入している。
当時次男ジョヴァンニは2歳。ロレンツォ豪華王の次男、教皇レオ10世と同じ名前。コジモはメディチ家によるローマ支配を計画していたらしい。1550年にジョヴァンニを宗教界に入らせ、10年後には枢機卿にしている。しかし1562年に熱病で死去したため、三男フェルディナンドが次いで宗教界に入った。
エレオノーラの衣裳にある柘榴文様は多産の讃美で、ユノ(女王で結婚の女神)の持物(アトリビュート)孔雀とともにエレオノーラの標章とされた。

世界美術大全集15 マニエリスム 1540年代
ブロンズィーノ
エレオノーラ・ディ・トレドと子息ジョヴァンニの肖像
1544〜45年頃 板 油彩 115×96cm
フィレンツェ ウフィツィ美術館