大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

エレオノーラ礼拝堂 天井画

上から時計回りに、悔悛する聖ヒエロニムス、聖痕を受ける聖フランチェスコ、悪魔を撃つ大天使ミカエル、パトモス島の福音書記者聖ヨハネ。中央にはトレド家とメディチ家の組み合わせ紋章が描かれていたが、後に聖三位一体の象徴に描き直されている。
この四聖人の組み合わせは通常のものではなく、メディチ家にとって意味がある組み合わせになっている。聖フランチェスコは長男フランチェスコ、聖ヨハネは流謫、聖ヒエロニムスは隠棲で、コジモ1世のメディチ家での傍系としての屈辱と復帰を表し、ミカエルは最後の審判に現れる秤を持っていることから、コジモの異端や悪に打ち勝つ力を表していると考えられている。
4つの区画はミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画の影響を受けて、裸の童子と果実の花綱装飾で区切られているが、柘榴は豊穣多産の象徴で、多くの子供をもうけたエレオノーラへの讃美とメディチ政権の安泰を表している。

メディチ家系図

エレオノーラ礼拝堂
祭壇画、受胎告知
紅海の渡渉
青銅の蛇
岩から水を出すモーセ、マナの拾集

世界美術大全集15 マニエリスム 1540年代
画像 フィレンツェ・ルネサンス6 日本放送出版協会