大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

ウルビーノのヴィーナス

ティツィアーノはジョルジョーネが着手し自らが完成させた「眠れるヴィーナス(1510〜11年頃)」とほぼ同じポーズで描いている。しかし天上的女神像は実在的女性像に変わり、目は開かれ視線を見る者に向けている。田園の風景はヴェネツィアの豪華な室内に変わり、右奥で長櫃(カッソーネ)から衣裳を取り出している二人の侍女が現実的雰囲気を出している。
ヴィーナスが持つ赤い薔薇は女神と愛、うずくまっている犬は忠節、窓辺のミルテの鉢植えは結婚愛のシンボル。
モデルはウルビーノ公妃ともされていたが、他に同じモデルを描いたとされる作品があることから、ティツィアーノ周辺の若い娘がモデルとされている。