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マグダラのマリア

17世紀初めの記録に、ブレーシャのアヴェロルディ家の所蔵する「白い衣に包まれた美しいマグダラのマリア‥」と記されている。ほかにも類似する作品が知られているが、「白い衣」はこの作品だけらしい。黄金色・黄色の衣が多い。
聖書の「ヨハネによる福音書」20章1節の「朝早くまだ暗いうちにマグダラのマリアは墓に行った。墓から石が取りのけてあるのを見た」という場面を描いているとされていた。1989年、M.パルドは、その少し後の「イエスが『マリア』と言われると、彼女は振り向いて、ヘブライ語で『ラボニ(先生)』と言った」。という場面だとしている。復活したイエスを最初に見たときで「ノリ・メ・タンゲレ(我に触れるな)」という言葉より前、マリアの顔の深い影はイエスであることを「悟る」直前を表しているとされる。
背景はヴェネツィアの遠景だとされる。マントの銀灰色の質感は灰色の下地に白のハイライトを置いたもので、ロンバルディア派の伝統だったらしい。マントのふちが輪郭線のようになっている。
1530年代
サヴォルド Savoldo
マグダラのマリア
1530年頃 カンヴァス 油彩 86.4×79cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3