「バッコスとアリアドネ」と同様、アルフォンソ1世の書斎を飾るために描かれた三部作の一点。残る一点は「ヴィーナスへの奉献」
右手前には酩酊して眠る裸身のニンフ、その左には葡萄酒の川に放尿するプット。前景中央の二人の娘の一人（「乙女の肖像」1515年頃と同じモデルとされる）は葡萄酒が注がれる杯を手にし、その前に置かれた楽譜には「酒飲んで杯重ねぬ者は、酒飲むことを知らぬ者」とフランス語で書かれている。右奥の丘の上では「河神」が葡萄の房の寝床に横たわり、酒の小川を注ぎだしている。
1520年代

主題はフィロストラトゥスの「絵画列記」の「アンドロス島の人々」の絵についての記述にから採られている。1598年のエステ家廃絶の時にローマの枢機卿の手に渡り、2点はスペイン王フェリペ4世に贈られ、1点は後にイギリスの収集家に売却された。

ティツィアーノ　Tiziano
バッコス祭（アンドロス島の人々）
1523〜25年　カンヴァス　油彩　175×193cm
マドリッド　プラド美術館
世界美術大全集13　イタリア・ルネサンス3