パルマ･イル･ヴェッキオの初期の活動についての記録は残されていない。ベルガモで修業した後、早くヴェネツィアに移り、ジョヴァンニ・ベリーニやカルパッチョなどの様式を学び、ジョルジョーネやティツィアーノの新様式を採り入れながら作風を確立させていったらしい。
上図はジョルジョーネの「眠れるヴィーナス（1510〜11年頃）」以来多くの画家が手がけた「風景の中の裸婦」の一点。1520年代

白いヴィーナスの肌が暗い岩陰と強いコントラストを見せ、背後に広がる明るい田園風景が、左上の遠景の山岳へとつながっている。

パルマ･イル･ヴェッキオ　Palma il Vecchio
ヴィーナスとキューピッド
1522〜24年頃　カンヴァス　油彩　118.1×208.9cm
イギリス　ケンブリッジ　フィッツウィリアム美術館
世界美術大全集13　イタリア・ルネサンス3