大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

三姉妹

パルマ・イル・ヴェッキオはジョルジョーネ没後、1510〜20年代のヴェネツィアでティツィアーノとともに活躍した画家。ミラノ北東のベルガモ近くで生まれ、平明で優美な作風でヴェネツィアで人気を博した。ティツィアーノと比べ保守的で美術史での評価は低い。
本名はヤコポ・ネグレッティ、1513年以後パルマという名前を使っているが、彼の甥の息子(ティツィアーノの弟子)もパルマと名乗ったため、パルマ・イル・ヴェッキオ(年長のパルマ)と呼ばれる。甥の息子はパルマ・イル・ジョヴァネ(年少のパルマ)。
田園風景を背に豪華な袖広の衣裳を着た3人の女性が座っている。3人のニンフ、三美神、パリスの審判の3人などとする説もあるが、それらを示す持物(アトリビュート)はなく、容貌が似ていることから三姉妹と呼ばれている。
3人の視線は別の方向に向いているが、それぞれの仕草で、親密で穏やかな雰囲気になっている。やや太めで短い首と広い胸の金髪女性はパルマの美人画の特徴。
1525年にマルカントニオ・ミキエルがヴェネツィアで見たと記している「腰帯までの3人の婦人を写したパルマの絵」がこの作品とされ、1518〜20年頃に描かれたと考えられている。
1520年代