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聖母子と聖人たち

ロットは1509年ローマのヴァティカーノ宮ユリウス2世の居室で、ペルッツィ、ブラマンティーノ、ソドマたちと壁画制作を行った。これらは後にラファエロの壁画と代えられている。このときラファエロやミケランジェロからの影響を受けたが、仕事がなかったためか、やがてマルケ地方に戻っている。
1513年にベルガモへ行き25年まで滞在している。この頃は注文も多く、平穏で実り豊かな時期を過ごしたらしい。
右の「聖母子と聖人たち」は当初置かれていた聖堂の祭壇に今も置かれている。画面中央には鮮やかな赤い衣裳を着けた聖母が、右手で幼児キリストを支え左手で祝福している。頭上の天使たちは緑の天幕を掲げて空中を舞い、玉座の周りには左からヨセフ(足が不自然)、聖ベルナルディーノ、洗礼者聖ヨハネ、聖アントニウスが並んでいる。玉座の前には薔薇の花がまかれ、聖人たちの会話を書きとめていた天使が振り返っている。青空が広がり、風景の右端では家が燃え煙が上がっている。
各地で学んださまざまなことが吸収され、ロット独自の作風が作られている。 1520年代
ロレンツォ・ロット Lorenzo Lotto
聖母子と聖人たち
1521年 カンヴァス 油彩 300×275cm
イタリア ベルガモ サン・ベルナルディーノ聖堂
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3