大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

羊飼いの礼拝(ラ・ノッテ)

生まれたばかりのイエスを、聖母マリアが抱きかかえ、左側では二人の羊飼いと一人の娘が見つめている。上では5人の天使が乱舞し、右奥では老ヨセフが暗闇の中でロバを引いている。
闇の中の幼児キリストを光源とした対角線構図で描かれている。夜景を描いたイタリアの絵画作品は、ラファエロの「聖ペテロの解放(1511〜14年)」以外にほとんど前例がない。コレッジョは幼児キリストを光源とすることで、主題、構図、光の中心を一致させている。「聖母子と聖ヒエロニムスとマグダラのマリア(イル・ジョルノ 昼)」と対比して(ラ・ノッテ 夜)と呼ばれている。ヴァザーリは村娘の表現を絶賛している。
この作品の契約書が残されている。1522年、レッジョ・エミリアの貴族の礼拝堂に設置する祭壇画として注文された。聖堂の改築工事が長引き、礼拝堂が落成したのは1530年だったため、その直前に制作されたと考えられている。
1640年モデナ公爵のコレクションに移され、1745〜46年にドレスデンのザクセン選帝侯に売却された。
1520年代
コレッジョ Correggio
羊飼いの礼拝(ラ・ノッテ)
1529〜30年頃 板 油彩 256.5×188cm
ドイツ ドレスデン 国立絵画館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3