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聖母子と聖ヒエロニムスとマグダラのマリア(イル・ジョルノ)

中央の聖母子を聖ヒエロニムス、マグダラのマリア、天使と少年聖ヨハネが囲んでいる「聖会話」。左右対称ではなく、くつろいだ円環構図で描かれている。
夏の日差しを避ける天幕の下で聖母は岩の上に座り、膝の上の幼児キリストは若い天使と訳者聖ヒエロニムスが支えるウルガータ聖書を見ている。右側ではマグダラのマリアがキリストの左足に頬ずりし、その後ろでは少年聖ヨハネが香油壺を持っている。
若い天使とマグダラのマリアは、その官能的な美しさによって後世の人々に絶賛され、画面の明るい光のためにこの作品は「イル・ジョルノ(昼)」と呼ばれている。ミケランジェロを思わせる頑健な肉体の聖ヒエロニムスはやや身を引いているが、その足下、持物のライオンはこちらを見つめている。ヴァザーリは「すばらしい彩色」を賞讃している。
1523年にパルマの貴族の寡婦によって、サンタントニオ聖堂の同家の礼拝堂の祭壇画として注文されたとされるが、注文主が死去した1528年に設置されたため、その直前に制作されたと考えられている。1721年の聖堂改築の際に取り外され、1796〜97年にナポレオン軍によってパリに運ばれ、1815年に返還された。
1520年代
コレッジョ Correggio
聖母子と聖ヒエロニムスとマグダラのマリア(イル・ジョルノ)
1527〜28年頃 板 油彩 205×141cm
イタリア パルマ 国立美術館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3