大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

ヴィーナスとキューピッドとサテュロス

キューピッドと一緒に眠っているヴィーナスと、その裸体をのぞき見ようとするサテュロス。18世紀の一時期「アンティオペとユピテル」と呼ばれ、現在でもその支持者がいる。足下の松明からヴィーナスということが明らかで、弓、矢、矢筒もキューピッドを示しているとされる。
右手を上げて眠るポーズは、ティツィアーノの「バッコス祭(1523〜25年)」のニンフと似ている。ルネサンス期の裸婦像の中でも官能的で魅惑にあふれているとされるが、個人的にはヴィーナスの頭部が大きすぎるように感じる。サテュロスは例外的に穏和な表情や仕草で描かれている。
マントヴァ公フェデリコ・ゴンザーガ2世の注文で描かれた神話画で、「キューピッドの教育」と対幅になっている。1627年のゴンザーガ家の財産目録に2点とも記載されているが、1628年に700点以上の絵画作品とともにイギリス国王チャールズ1世に売却された。チャールズ処刑後、マザラン枢機卿に渡り、次いでヴェルサイユ宮のルイ14世のコレクションに入っている。
1520年代
コレッジョ Correggio
ヴィーナスとキューピッドとサテュロス
1525〜26年頃 カンヴァス 油彩 188×125.5cm
パリ ルーヴル美術館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3