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パトモス島の福音書記者聖ヨハネの幻視

コレッジョは1520年に、1519年に完成したばかりのベネディクト会修道会の聖堂サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタの主要壁面全体にわたる壁画装飾を委嘱された。 右図は丸天井と四隅のペンデンティヴ。祭室の「聖母戴冠」は1586年の聖堂拡張の際に取り壊された。
丸天井の主題は「黄金伝説(9章)」から取られている。聖ヨハネが99歳のとき、主は、弟子たちとともにヨハネのまえにあらわれて、こう言われた。「選ばれた者よ、さあ、わたしのもとに来るがよい。あなたがわたしの食卓で兄弟たちといっしょに食事をすることができる日が来たのである」。それに「ヨハネによる黙示録(第1章)」の「見よ、彼は、雲に乗ってこられる。すべての人の目、ことに、彼を刺しとおした者たちは、彼を仰ぎ見るであろう。また地上の諸族はみな、彼のゆえに胸を打って嘆くであろう」というイメージが加えられているとされる。
周りの雲には11人のたくましい使徒が、多くの天使を従えて座っている。中央の黄金色に輝く天空には天使の合唱に囲まれた巨大なキリストが現れて、頭上の老ヨハネを天に召す合図を送っている。
ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画やラファエロの「聖体の論議」などからの影響があるとされるが、コレッジョの適応力の幅広さが表れている。
1520年代
コレッジョ Correggio
パトモス島の福音書記者聖ヨハネの幻視
1520〜24年 フレスコ 940×875cm
イタリア パルマ サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ聖堂
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3