サンティッシマ･アンヌンツィアータ修道院に描かれた聖家族のエジプト逃避を扱った「袋の聖母」。ヴァザーリは、ほかの画家たちの模範作になったと伝えているが、風雨による損傷が激しい。左に記銘、右に1525年の年記がある。
聖ヨセフがもたれかかっている袋は「休息」「礼拝」を表しているとされる。この袋や人物の衣服は実物のデッサンによるのではなく、人工的に描かれている。　1520年代

聖家族の周囲の空虚な空間が不安さを醸し出している。

アンドレア･デル･サルト　Andrea del Sarto
袋の聖母
1525年　フレスコ　191×403cm
フィレンツェ　サンティッシマ･アンヌンツィアータ修道院
キオストロ･ディ･モルティ
世界美術大全集12　イタリア・ルネサンス2