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レオ10世と二人の枢機卿

1517年9月にフィレンツェで行われたウルビーノ公ロレンツォ・デ・メディチの婚礼を祝うために制作された群像肖像画。
レオ10世の左には枢機卿ジュリオ・デ・メディチ(のちのクレメンス7世)、右は枢機卿ルイージ・デ・ロッシ。ラファエロは制作するときに、ヴァティカーノ図書館入り口に描かれていた壁画、メロッツォ・ダ・フォルリの「教皇シクストゥス4世とプラティナ(1477年頃)」を参考にしたのだろう。レオ10世はシクストゥス4世のデッラ・ローヴェレ家の教皇ユリウス2世と同様にメディチ家からの後を継ぐ教皇の誕生を願っていた。
レオ10世の考古趣味や所有欲を表すため、豪華な挿絵入り写本(緻密に描かれているため、ベルリンに残る14世紀のハミルトン聖書とわかる)、精巧な細工を施した銀製ベル、黄金づくりのルーペなどが描かれている。椅子の背もたれの球形のノブは凸面鏡のように部屋の窓を写している。
1510年代
ラファエロ Raffaello
レオ10世と二人の枢機卿
1517〜19年 紙 油彩 154×119cm
フィレンツェ ウフィツィ美術館
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2