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サン・シストの聖母

北イタリア、ピアチェンツァのサン・シスト聖堂に長く置かれていたが、1754年にザクセン選帝侯が購入してドレスデンに移された。第二次世界大戦後モスクワに運ばれ、後にドレスデンに返還された。ラファエロの最初のカンヴァス画。
一般に1513年の教皇ユリウス2世の死後、その墓碑を飾るために制作されたとされる。サン・シスト聖堂は殉教者教皇聖シクストゥス(シスト)にささげられた聖堂で、シクストゥスはユリウス2世の一門デッラ・ローヴェレ家の守護聖人だった。
聖母子の右には人間の臨終の際にその霊を慰める聖女バルバラ、左にユリウス2世の風貌を写した聖シクストゥス。左下の教皇の三重冠を載せた手すりはユリウス2世の棺の蓋だとされる。聖母子の立ち姿はミケランジェロの教皇ユリウス2世廟の計画案から採られたともされる。
フランスとの戦いの際に教皇側に忠誠を尽くして、1512年にフランス軍が撃退されたのち、教皇国家に帰属したピアチェンツァへ、感謝のしるしとしてユリウス2世がこの祭壇画を贈ったとする説もある。
1510年代
ラファエロ Raffaello
サン・シストの聖母
1513〜14年頃 カンヴァス 油彩 265×196cm
ドイツ ドレスデン 国立絵画館
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2