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三位一体についての論議

上空に描かれている三位一体(聖霊の鳩が見えない)について論議する6人の聖人たち。アンドレア・デル・サルトの作品では珍しく活気がみられる作品。
左側で杖を持つアウグスティヌスは上を指さしながら、聖ラウレンティウス(拷問具の鉄格子を持っている)、殉教者聖ペテロ、胸に手を当てている聖フランチェスコに語りかけている。それを手前で聞いているのが、背を見せている聖セバスティアヌス(右手に弓矢を持っている)と香油壺を持つマグダラのマリア。
聖アウグスティヌスは「三位一体について」という本を書き、ドメニコ会派修道士ペテロはこの教義についての議論を活発に行った。マグダラのマリアのモデルは作者の妻ルクレツィアだとされる。
背景では暗い雲がわき出していて、黙示録的な終末を示している。
1510年代
アンドレア・デル・サルト Andrea del Sarto
三位一体についての論議
1517〜18年頃 板 油彩 252×193cm
フィレンツェ ピッティ美術館
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2