オルヴィエート大聖堂の右翼廊部にあるサン・ブリツィオ礼拝堂。天井画は1447年にフラ･アンジェリコとベノッツォ･ゴッツォリによって着手され、8区画中2区画に「最後の審判のキリスト」と「預言者たち」が制作された。その後長く中断されていたが、1499年モンテ･オリヴェート･マッジョーレ修道院の壁画などで評価を高めていたシニョレッリに委嘱された。残りの6区画にフラ･アンジェリコを尊重した構図・作風で「使徒たち」「殉教者たち」などを描いた。
1500年には周壁の装飾も依頼され、1502年頃にほぼ完成したらしい。1504年に最後の支払いが行われている。
下段部分の腰壁にはグロテスク紋様を背景にした円形･四角形の枠の中に、ギリシア･ローマの詩人や思想家が描かれている。キリスト教と古代異教の融合を示すプログラムに従って制作されている。

図の左側に「偽預言者(アンチキリスト)の説教と悪行」「選ばれし者の天国への召喚」、右側に「罪されし者を地獄に追いやる天使」「肉体の復活」が見える。
「偽預言者の説教と悪行」については「ルネッサンスの光と闇」高階秀爾著で解説が読める。
「選ばれし者の天国への召喚」
「罪されし者を地獄に追いやる天使」 1500年代

シニョレッリ　Signorelli
サン・ブリツィオ礼拝堂　周壁の装飾
1500〜03年頃　フレスコ
オルヴィエート大聖堂　サン・ブリツィオ礼拝堂
世界美術大全集11　イタリア・ルネサンス1
イタリア・ルネサンスの巨匠たち19　シニョレッリ