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美しき女庭師の聖母

「美しき女庭師の聖母」と呼ばれているのは、草原の美しい女性というだけではなく、一方の肩から青いマントを外して赤と黄土色の内着を見せて親しみを感じさせるからとされる。「鶸の聖母」「牧場の聖母」とともに3人の登場人物による構成だが、ポーズ、位置関係、視線の方向などを変化させて新しい内容や感情を表している。
準備素描では矩形の画面で、ひざまずいているヨハネは子羊を抱いていた。聖母の両肩と対応するように上部を半円にすることで構図がまとまっている。またそれぞれのポーズにラファエロが見た作品からの影響も指摘されている。
ヴァザーリによると、未完成で残されていたこの作品に、別の画家が「欠けていた青い衣服」の部分を仕上げたとされる。そのため署名がいつもの RAPHAEL ではなく RAPHAELLO となっている。
1500年代
ラファエロ Raffaello
美しき女庭師の聖母
1507年 板 油彩 122×80cm
パリ ルーヴル美術館
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2