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大公の聖母

1504年10月、ラファエロはセニガリア侯妃ジョヴァンナがフィレンツェ共和国の国家主席ピエロ・ソデリーニに宛てた書簡を持ってフィレンツェを訪れた。ラファエロのフィレンツェ時代が始まった。(それ以前にもフィレンツェに来たことがあったらしく、以後もペルージャなどへも帰っている)
フィレンツェでは聖母子の絵で認められるようになった。この作品の準備素描によると、初めは円形画として構想されていたらしい。当初は背景が描かれていたがのちの19世紀に暗く塗りつぶされたとする説もある。
聖母が幼児キリストを傍らに抱く形式は中世にさかのぼるが、聖母の視線を正面ではなく下方に向けることで新しい表現、優しさ・愛・高貴さを加えている。
1799年にトスカーナ大公フェルディナンド3世が購入し、旅行の際にも携行するなど常に手元に置いていたことから「大公の聖母」と呼ばれている。
1500年代
ラファエロ Raffaello
大公の聖母
1504年 板 油彩 84×55cm
フィレンツェ ピッティ美術館
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2