1502〜03年頃、フィレンツェに行く前のラファエロはシエナのピッコローミニ図書館の壁画装飾をしていたピントゥリッキオを手伝っていたらしい。その頃シエナのボルゲーゼ家から依頼された作品で、ローマのボルゲーゼ家への贈り物の対幅画だった。現存するラファエロの非宗教的な最初の作品で、人文主義思潮への関心もしくはその反映をうかがわせる。
「騎士の夢」は新プラトン主義的な道徳観の「若者への戒め」を表しているとされる。書物と剣を持つ「美徳（パラス）」と花を持つ「地上の快楽（ヴィーナス）」いずれかの選択に迫られている。
1500年代

「三美神」は「貞節・美・愛」または「光輝・若さ・歓び」を表すとされ、当時のメダルの浮彫や古代の大理石群像が形態上の起源とされている。

ラファエロ　Raffaello
騎士の夢　三美神
1503〜04年 1504〜05　板　油彩　17×17cm
ロンドン　ナショナル・ギャラリー
フランス　シャンティイ　コンデ美術館
世界美術大全集12　イタリア・ルネサンス2
イタリア・ルネサンスの巨匠たち20　ラファエロ