ヴィッラフランカ侯爵の所蔵だったが、その後いくつかの個人コレクションを経て、1939年クレス･コレクション蔵となった。
やや横向きの聖母が、膝の上に幼児キリストを乗せて座っている。幼児は顔を右に向け、背後には岩山や町のある風景が広がっている。聖母の上半身が画面前景を占めているが、柔和な表情や繊細な色彩と描線が抒情的世界をつくっている。類型的なものが多いベルジーノの作品の中でも、良質な作品。
ラファエロの父ジョヴァンニ･サンティ（1435〜1494）はその「韻文年代記」（クローナカ　1485年頃）でペルジーノを、レオナルド･ダ･ヴィンチと同じ名声を得ている神のごとき画家と讃えている。
1500年代

ペルジーノ　Perugino
聖母子
1500年頃　板　油彩　70×51cm
ワシントン　ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集11　イタリア・ルネサンス1