1496年、ペルージャのコッレージョ･デル･カンビオ（取引所）の広間の装飾をペルジーノに依頼することが決められた。天井画から進められたらしいが、1498年には側壁の装飾をペルジーノ自身が行うように求められた。壁画に1500年の日付があるのでその頃にはほぼ完成していたらしい。
天井には弟子によってアポロを中心に七惑星を表す古代の神々とグロテスク文様。壁面には四つの美徳の寓意像と12人の古代の賢人と英雄などと、キリストの降誕と変容が描かれている。キリスト教思想と古代異教文化との融合という新プラトン主義的構想が採り入れられている。　1500年代

上図には上段に「剛毅」と「節制」を示す女性像、その下には美徳を具現した古代の著名人が3人ずつ、中央にギリシア人その両側にローマ人が描かれている。ペルジーノの名声が絶頂期だった頃の作品。優雅な身振りや装飾感覚が見られるが、助手によって描かれた単調で粗雑な部分も多い。

ペルジーノ　Perugino
「剛毅」と「節制」と六人の古代の英雄
1500年頃　フレスコ　291×400cm
ペルージャ　コッレージョ･デル･カンビオ
世界美術大全集11　イタリア・ルネサンス1