様式的判断から、ヴェロッキオの強い影響を受けていた頃のボッティチーニの作品とされている。「トビアスと大天使ラファエル」に大天使ミカエル（甲冑姿で剣と球体を持っている）と大天使ガブリエル（受胎告知の時の白百合を持つ）が加わっている。注文主の息子の旅だけでなく、人生の庇護者として3人の大天使が描かれたとされている。
ラファエルは「旅」「病」の救済者、ミカエルは「正義」「信仰」の庇護者、ガブリエルは「愛」「純潔」の庇護者。
ヴェロッキオ工房と共通する様式に加えて、前景の植物の描写や背後に広がる風景表現に、より繊細な描写が見られる。

大天使ミカエルはヴェロッキオ工房時代のレオナルド･ダ･ヴィンチをモデルにしたと伝えられている。
1470年代

ボッティチーニ　Botticini
トビアスと三人の大天使
1470年以前　板　テンペラ　134×153cm
フィレンツェ　ウフィツィ美術館
世界美術大全集11　イタリア・ルネサンス1