ロレンツォ・デ･メディチの最初の注文による作品。1472年にサン・ロレンツォ聖堂旧聖具室に設置された「ピエロおよびジョヴァンニ･デ･メディチ墓碑」。故人の像や宗教的人物像を伴わない、赤い斑岩とブロンズ製の墓棺と大理石製のアーチ形枠縁からなり、旧聖具室と隣の礼拝堂との間にあけられたアーチ形開口部に置かれ、開口部は菱形格子状のブロンズ製ロープで閉じられている。（ピエロはロレンツォ豪華王の父・痛風病みのピエロ、とその弟ジョヴァンニ）
墓棺を支える獅子脚（カントナータ）や葉文装飾は「カルロ･マルスッピーニ墓碑（デジデリオ･ダ･セッティニャーノ　1455〜58年頃）」からアイデアがとられているが、それ以上の力強い精気と躍動感が見られる。旧聖具室の大理石製手洗盤（ラヴァーボ）も1470年頃の作とされている。

1470年代

ヴェロッキオ　Verrocchio
ピエロおよびジョヴァンニ･デ･メディチ墓碑
1470〜72年　赤い斑岩、ブロンズ
フィレンツェ　サン・ロレンツォ聖堂
世界美術大全集11　イタリア・ルネサンス1
図説レオナルド･ダ･ヴィンチ　河出書房新社