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聖母子と奏楽の天使たち(ロヴェレッラ祭壇画中央パネル)

ピエタの聖母とイエスの下に置かれていたのが「聖母子と奏楽の天使たち(右図)」。玉座に座る聖母は不安定な姿勢の幼児イエスを支えている。下が中空になっている基壇の前には小さなオルガンが置かれ、左の天使が演奏している。右の天使は空気を送っているのだろうか、器状のものを持っている。基壇に腰掛けている天使はリュートを、その後ろの天使は奇妙な形のバイオリンのような弦楽器を奏でている。
玉座の両側の側柱にはヘブライ文字とエステ家の紋・炎が彫られた大理石板。聖母の頭上には真珠と珊瑚の飾りのついた貝殻、その上には上向きの貝殻が載せられ、福音書記者聖マタイを象徴する翼を広げた天使が座っている。天使の後ろ、ブロンズの柱で支えられている柵の上には、左に聖マルコの象徴・有翼の獅子、右には聖ルカの象徴・有翼の牛、天使が座る椅子の背もたれの上には、聖ヨハネの象徴・鷲が翼を広げている。聖母の頭上の貝殻を縛った紐を持つ両側の天使の足の下の器からは葡萄の房が下がっている。聖母の頭上の像はブロンズで造られたように描かれている。
1470年代
コズメ・トゥーラ Cosme Tura
聖母子と奏楽の天使たち(ロヴェレッラ祭壇画中央パネル)
1474年 板 油彩 239×102cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3