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ガレアッツォ・マリア・スフォルツァの肖像

1471年3月、ミラノ公ガレアッツォ・マリアはフィレンツェを公式訪問して盛大な歓迎を受けた。ロレンツォ・イル・マニフィコはヴェロッキオ工房に祝典装飾をさせ、祝祭を催した。その時に記念として描かれた肖像画。
ガレアッツォ・マリアは入城時の盛装、フランス王家の一員であることを示す金の百合の紋章が入った豪華なブロケードの上着を着け、右手に革手袋を持っている。(ガレアッツォ・マリアの妻はフランス国王ルイ11世妃の妹)
22歳で父フランチェスコ・スフォルツァのあとを継いだ人物で、勇猛果敢な政治家、軍人、宮廷文化のパトロン、残忍冷酷な独裁者として知られていた。大きな鉤鼻をもつ個性的な風貌は、暴君のような非情さも示している。1476年12月、ガレアッツォ・マリアは家臣たちによって暗殺された。
ポッライウォーロ兄弟の肖像画のほぼ全ては女性のプロフィール像だが、この作品はやや斜め向きのポーズで、頭部の肉付けの硬さ、荒さからピエロの作とされ、理想化を排した人物の把握は際だったリアリティーを示している。
1492年のロレンツォ・イル・マニフィコの遺産目録には「ピエロ・デル・ポッライウォーロの手になるガレアッツォ公の頭部を描いた絵」と記されている。
1470年代
ピエロ・デル・ポッライウォーロ Piero del Pollaiuolo
ガレアッツォ・マリア・スフォルツァの肖像
1471年 板 テンペラ 65×42cm
フィレンツェ ウフィツィ美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1