大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

トビアスと大天使ラファエル

フィレンツェのオルサンミケーレ聖堂のために描かれたもの。当初は聖堂内の角柱の一つに掛けられていたらしい。
引き伸ばされた人物のプロポーション、硬い肉付けと輪郭線、角張った衣襞などがピエロの特徴とされる。注文主は不明。赤いカルツェ(タイツ式ズボン)と皮の長靴、腰下までのジュベットに錦織の付け袖、赤いマントと帽子、という豪華な旅装の若者は左手にRICO(RDO 証文)と書かれた巻紙と持物の魚を持ち、聖体器を持った大天使ラファエルとともに歩いている。
背景にはアルノ川渓谷の広々とした田野と青空が広がり、ピエロの作品の中で魅力的でフィレンツェ的な優雅さと洗練された感覚が表されている作品。
1470年代
ピエロ・デル・ポッライウォーロ Piero del Pollaiuolo
トビアスと大天使ラファエル
1470年頃 板 テンペラ 187×118cm
トリノ サバウダ美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1