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セニガリアの聖母

二人の天使と半身像の聖母子が普通の家の一室に描かれている。窓からは穏やかな光りが差し込み、棚の上には布が入った籠などが置かれている。幼児キリストは珊瑚のネックレスをして、白い薔薇をもち、祝福を与えるポーズをとっている。聖母はやや細長く描かれ、マニエリスムを思わせる。
くるみ材に描かれ、油を混用した技法、窓からの光、室内の静物などにフランドル絵画の影響が見られる。ピエロはフェッラーラでロヒール・ファン・デル・ウェイデンに会ったともいわれ、早くからフランドル絵画を知っていたらしい。
フェデリーコの三女とセニガリアの君主との結婚の際、あるいは男の子が生まれることを祈願して描かれた作品とする説がある。セニガリア郊外の聖堂に置かれていたこの祭壇画はウルビーノの国立マルケ美術館に収められている。1975年に「キリストの鞭打ち」とともに盗難にあい、翌年スイスで発見された。
セニガリア ペーザロとアンコーナの間、アドリア海岸の町
1470年代
ピエロ・デッラ・フランチェスカ Piero della Francesca
セニガリアの聖母
1470年代後半 板 テンペラ 61×53.5cm
ウルビーノ 国立マルケ美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1