大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

ブノワの聖母(花の聖母)

クラーキン公のコレクションからフランス人建築家レオン・ブノワの妻の手に渡ったとされる。夫の死後、故郷のペテルブルグへ戻って、1908年に開催された絵画展でこの絵を公開している。1914年ロシア皇帝によって買い上げられ、エルミタージュ美術館に収められた。
幼児キリストに聖母が花を差し伸べる主題「花の聖母(マドンナ・デル・フィオーレ)」が「ブノワの聖母」と呼ばれるのはかつての所有者への敬意によるため。 1824年に板からカンヴァスに移された際、カンヴァスの下部が1.5cm広くされ、修復が加えられた。
1908年の絵画展でレオナルドの作品とする説が出され、さまざまな作者名があげられた後、現在レオナルド作とされている。レオナルドが記している「1478年(9〜12月)、私は二つの聖母画に着手した」のうちの1点とする史家も多い。この時期とされるレオナルドの習作素描には、聖母子を主題とし、花や果物皿、猫などを配して母子情愛を強調する表現が多い。窓に何も描かれていないのはらしくない。初期の作品のためだろうか。
1470年代
レオナルド・ダ・ヴィンチ Leonardo da Vinci
ブノワの聖母(花の聖母)
1478〜79年 板(現在はカンヴァスに移行) 油彩 48×30.5cm
ロシア サンクト・ペテルブルグ エルミタージュ美術館
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2