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カーネーションの聖母

1888年、ドナウ川沿いのギュンツブルクの医師が、町で薬局を営む家から買い取り、翌年ミュンヘンのアルテ・ピナコテークへ譲渡した作品。以前の来歴は不明。
アルテ・ピナコテークがレオナルドの初期の作品として公表すると、多くの議論が起こり、現在はレオナルド作として多くの史家から認められている。ドイツの美術史家はヴァザーリが記している、教皇クレメンス7世(在位1523〜34)が所蔵するレオナルドの「花瓶の聖母」がこの作品だとしている。
前方左側からの光りで、聖母子は暗褐色の室内背景から浮き出ている。二連アーチの窓から見える風景は、手前から後方への山が繊細な色調、独特なぼかし(スフマート)の技法で描かれている。
1470年代
レオナルド・ダ・ヴィンチ Leonardo da Vinci
カーネーションの聖母
1475年頃 板 油彩 62×47cm
ミュンヘン アルテ・ピナコテーク
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2