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キリストの割礼

「東方三博士の礼拝」「昇天」とともにマントヴァのサン・ジョルジョ城内の小礼拝堂を装飾するために描かれた作品とされている。
16世紀にその礼拝堂は取り壊されて、1587年にはメディチ家のコレクションに入っていた。
「キリストの割礼」は集中式プランの神殿の中やアプシスを背にした祭壇の前で、聖母が幼児イエスを大祭司に差し出す場面が多い。マンテーニャは真ん中に円柱を配し、その上方両側の半円形の部分に「イサクの犠牲」と「十戒の石板を示すモーセ」を浮彫のように描いている。
少年の助手を従えた大祭司は割礼を施そうとし、その後ろには捧げ物のキジバト2羽を籠に入れた聖ヨセフが立っている。聖母の後ろでは子供を連れた若い女と老女が見守っている。
ヨセフの奥には白大理石製の祭壇。アーチ、柱頭、壁面のパネルの枠などは白大理石、壁面に貼られたパネルは多彩大理石。真ん中の茶色の模様が入った大理石円柱の両側の角柱(左右で色が違って見える)と梁、半円形の縁取りの部分はあずき色の地に金色に見える植物文様が広がっている。建築要素にはさまざまな素材が使われ、豪華に装飾されている。
1460年代
マンテーニャ Mantegna
キリストの割礼
1460〜64年頃 板 テンペラ 86×42.5cm
フィレンツェ ウフィツィ美術館
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2