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三位一体と聖ヒエロニムスと二聖女

フィレンツェのサンティッシマ・アンヌンツィアータ聖堂の1453年に完成された左側廊にあるコルポリ礼拝堂に描かれたフレスコ画。注文主の守護聖人、教父聖ヒエロニムスと年配の女性聖人、中年の女性聖人3人と、ヒエロニムスの足元のライオンが天に現れた三位一体の神の幻視を見上げている。二人の女性はヒエロニムスの弟子で、386年の聖地巡礼で彼に従い、ベツレヘムに創設された修道院の院長となったパウラとその娘とする説もある。
1967年の修復の際にシノピアが発見されたが、三位一体とライオンは描かれてなく、三人のポーズと配置は異なっていた。シノピアの後で描かれた実寸大の最終画稿があったらしい。
三位一体は頭上から見たような大胆な短縮法で描かれ、地平線を低くとり、背景の山を右下がりとすることで聖ヒエロニムスの苦行の姿を浮かび上がらせている。ライオンも聖人の足元にうずくまるのではなく、立ち上がり歯をむき出して咆えている。
1450年代

アンドレア・デル・カスターニョ Andrea del Castagno
三位一体と聖ヒエロニムスと二聖女
1453〜54年 フレスコ 300×179cm
フィレンツェ サンティッシマ・アンヌンツィアータ聖堂
コルポリ礼拝堂
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1