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聖女サビナ多翼祭壇画

サン・ザッカリーア聖堂サン・タラジョ礼拝堂に収められている三つの祭壇画の一つ。ヴィヴァリーニ工房が教会や修道院から注文を受けて量産していたゴシック風多翼祭壇画。ヴィヴァリーニはベリーニとともに、末期ゴシックからルネサンスへの転換期のヴェネツィア絵画で支配的な役割を果たした一族。
巧緻な浮彫りと金箔装飾を施されたオリジナルの額縁。下段中央に聖女サビナ、左に聖ヒエロニムス、右に聖アキレウス。上段中央に天使、左に聖女マルガリタ、右に聖女カタリナ。
下段の3人はそれぞれ円形の大理石台に乗っていて金地の背景から浮き上がって見える。この3人の聖人は額縁で分けられているが、背景に薔薇の腰垣を巡らせることで空間を共有している。聖女サビナは入信、殉教した兄を捜して客死した人物。
ジョヴァンニ・ダレマーニャ(ドイツ出身とされる)はアントニオの妹と再婚した人物で、ヴィヴァリーニ工房で仕事をする以前にパドヴァ、ヴェネツィアで職人として高く評価されていたらしい。
アントニオの祖父がガラス職人としてパドヴァからムラーノ島へ移住したとされる。工房はアントニオの10歳ほど年下の弟バルトロメオ、アントニオの息子アルヴィーゼと引き継がれた。
1440年代 拡大画像
アントニオ・ヴィヴァリーニおよびジョヴァンニ・ダレマーニャ
聖女サビナ多翼祭壇画
1443年 板 テンペラ 339×204cm
ヴェネツィア サン・ザッカリーア聖堂
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2