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玉座の聖母子(カルネセッキの祭壇画)

ドメニコ・ヴェネツィアーノ(1405年頃〜1461)
彼自身ヴェネツィア出身(ダ・ヴェネーツィア)と署名しているが、出生地、修業期については知られていない。残されている記録は少なく、ヴァザーリのドメニコ伝も信憑性に乏しいとされている。しかし同時代人の証言では、優れた技量・知名度で高く評価されている。
1438年4月にペルージャからピエロ・デ・メディチに宛てた手紙が残っていて、サン・マルコ祭壇画(1438〜40年)制作の自分への発注を求めている。
1439年にはフィレンツェのサンテジーディオ聖堂壁画制作(現存しない)に携わっていた。彼のもとにはピエロ・デッラ・フランチェスカがいたが、1445年に制作を中断。その後アンドレア・デル・カスターニョが1451〜53年に仕上げたらしい。
右図は玉座の聖母子(カルネセッキの祭壇画)。1440年頃の作とされ署名が入っている。透明感のある色彩、節度ある明暗法、軽やかで伸び伸びとした形姿と装飾性、透視図法的な空間描写への関心も見られる。フィレンツェの美術にも詳しく、著名な画家の一人だったことがわかる。

1440年代
ドメニコ・ヴェネツィアーノ Domenico Veneziano
玉座の聖母子(カルネセッキの祭壇画)
1440年頃 フレスコ(現在、カンヴァスに移行) 241×120.5cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
イタリア・ルネサンスの巨匠たち11 ドメニコ・ヴェネツィアーノ