大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

聖母子と聖アントニウスと聖ゲオルギウス

波形に光線を放射する黄金の円盤に囲まれた聖母子が上空に浮かび、地上では長い白髭の修道士姿の老人と帽子をかぶり鎧をまとった若者が向かい合っている。
聖母子は「黙示録」の「太陽を着た女」に由来している。左の老人は東方修道生活の始祖とされる隠修士聖アントニウス(251〜356?)で火事、悪疫、家畜(豚)の疾病に対する守護聖人。厳しい表情で若者に話しかけている。右の若者は足下に竜がいることから聖ゲオルギウスとされる。しかし聖人の円光がない、そのため若いマントヴァ侯ルドヴィコ・ゴンザーガと重ね合わされているともされる。画面右端に2頭の馬の頭部が見える、小姓か従者が後ろにいるのかもしれない。
フェラーラのコスタビリ・コレクションから出たもので、画面下部に植物文様で「ピサヌス作」と署名されている。制作年は記載されていない。1436年のサンタナスタージア聖堂壁画以前とする説もある。
1440年代
ピサネッロ Pisanello
聖母子と聖アントニウスと聖ゲオルギウス
1447〜48年 板 テンペラ 47×29cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2