大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

受胎告知

ヴェネツィア派の始祖とされるヤコポ・ベリーニの作品。
ヤコポは1400年頃ヴェネツィアで生まれていてマザッチョ、フラ・アンジェリコと同世代。ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ(1370頃〜1427)のもとで修業し、1420年代には師に従ってフィレンツェかローマでピサネッロとともに助手として働いている。 師弟関係は良かったらしく、「慈父のごとき師匠(ヴァザーリ)」の名をもらって長男はジェンティーレと名付けられた。次男がジョヴァンニ、娘のニコロージアは1453年にマンテーニャと結婚している。
1440年代から50年代にかけてヤコポと息子たちはパドヴァにいて、1447〜50年にはヴィヴァリーニ工房もパドヴァにあった。ドナテッロがサンタントニオ聖堂で大型祭壇を制作していたことによるとされる。
飾り枠で分けられたゴシック二連画のように見える作品だが、格天井や書見台は遠近法によって描かれている。人物の描写などはジェンティーレやピサネッロを継承・発展させている。以前はフラ・アンジェリコの作とされていた。
プレデッラはヤコポの素描に基づいて助手が描いたとされるが、ヤコポの宗教画などの物語絵が失われているため貴重な作例。聖母マリア伝。左から「マリアの誕生」「神殿奉献」「エリザベツ訪問」「雪の奇跡(サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂の建立)」「聖母の死」。右図下部は右側の2点。
1440年代
ヤコポ・ベリーニ Jacopo Bellini
受胎告知
1444年 板 テンペラ 左右各 219×98cm
イタリア ブレーシャ サンタレッサンドロ聖堂
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3