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カルメル会の会則の確認 断片 謙遜の聖母と天使、聖人たち

フィリッポ・リッピ(1406頃〜1469)は14〜15歳のころカルメル会修道院に入れられた。その頃カルミネ聖堂ブランカッチ礼拝堂ではマザッチョが壁画を制作していて、リッピはロレンツォ・モナコからの国際ゴシック様式とマザッチョからの新様式、両方を受け入れている。
1432年に描かれた最初期の作品が「カルメル会の会則の確認」。ゴシックの伝統に基づく俯瞰的構図に、マザッチョに倣った人物、場面が描かれている。人物の表情にはマザッチョとは異なる会則が認められたことを喜んでいるような陽気さが見られる。
1430年代
フィリッポ・リッピ Fra Filippo Lippi
カルメル会の会則の確認 断片
1432年 フレスコ
フィレンツェ カルミネ修道院

下は同じ頃に描かれた「謙遜の聖母と天使、聖人たち」
マザッチョ的な肉付けの量感豊かな形像だが、表情は日常の時間の流れを切り取ったような一瞬の表情になっている。
フィリッポ・リッピ Fra Filippo Lippi
謙遜の聖母と天使、聖人たち(トリヴルツィオの聖母)
70×168cm
ミラノ スフォルツァ城美術館