大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

サン・マルコ祭壇画プレデッラ

プレデッラは9面。中央の「キリストの埋葬(ピエタ)」の左右に4面ずつが配置されていた。
テーマは聖コスマスと聖ダミアヌスの物語。古代ローマのディオクレティアヌス帝(在位284〜305)時代のアラビア出身の医者でメディチ家の守護聖人。
「黄金伝説」によると二人は双生の兄弟で、母は信仰のあつい人だった。医術を学び、聖霊からの恵みを受けて人間と動物のすべての病気を治すことができ、報酬は受け取らなかった。
「斬首」はキリスト信仰のために偶像崇拝を拒み、総督リュシアスによって3人の弟とともに打ち首にされた場面。(287年)
8面のテーマはそれぞれ
「聖コスマスと聖ダミアヌスによるパラディアの治癒」
「リュシアスの前の聖コスマスと聖ダミアヌス、その兄弟たち」
「悪魔にとりつかれたリュシアス」
「聖コスマスと聖ダミアヌスの磔刑」
「聖コスマスと聖ダミアヌスの火刑」
「聖コスマスと聖ダミアヌスの斬首」
「聖コスマスと聖ダミアヌスの埋葬」
「助祭ユスティニアヌスの夢」
玉座の聖母子と諸聖人 1430年代
フラ・アンジェリコ Fra Angelico
サン・マルコ祭壇画プレデッラ
1438〜40年 板 テンペラ
「キリストの埋葬(ピエタ)」38×46cm
他8面 37×45cm
右図上から
「リュシアスの前の聖コスマスと聖ダミアヌス、その兄弟たち」
「聖コスマスと聖ダミアヌスの斬首」
「聖コスマスと聖ダミアヌスの埋葬」
「助祭ユスティニアヌスの夢」
フィレンツェ サン・マルコ美術館 他各地の美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
イタリア・ルネサンスの巨匠たち10 フラ・アンジェリコ
週刊西洋絵画の巨匠46 フラ・アンジェリコ
「助祭ユスティニアヌスの夢」
(週刊西洋絵画の巨匠では皇帝ユスティニアヌスの夢)
皇帝ユスティニアヌス1世(在位527〜565)が右脚が壊疽になったときに見た夢。聖コスマスと聖ダミアヌスが部屋に来て、右脚を切断して、戦死したばかりのエティオピア人の脚を移植する場面。
この場面だけ時代が違う。人間の知性の可能性を示すテーマとして、15世紀以降に多く描かれた。