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海辺の都市

この海辺の都市を描いた小板絵は、同じシエナ絵画館にある湖畔の城を描いた板絵と対になっている。来歴は不明で、作者についても議論がなされてきた。 現在では、1340年頃にアンブロージョ・ロレンツェッティかその工房によって描かれとされている。戸棚の扉に使われていたらしい。
西洋美術史上、最初の純粋な風景画と呼ばれることもある。しかし図像から感じられるのは、都市の模型を見ながら描いたような不自然さ。色彩によるかもしれないし、影が描かれていないからかもしれない。
一説ではシエナが港を築いたタラモーナの城塞都市で、右下に婦人用海水浴場が描かれている。赤い衣服を脱いだ女性が腰掛けているようにも見える。 1340年代
アンブロージョ・ロレンツェッティ Ambrogio lorenzetti
海辺の都市
1340年頃 板・テンペラ 22.8×33.5cm
イタリア シエナ 国立絵画館
世界美術大全集10 ゴシック2